我が国の動物園や展示動物を取り巻く法制度の課題整理
~動物園政策の展望にも触れながら~
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諸坂佐利 特別講習のおしらせ【2月12日〜13日 2日間】

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動物園やそれをとりまく人びとからの、動物園に関する法的定義を求める動きが興っている。それは単に法的規制の強化を求めるといったことではない。
しかし、現状を肯定し、緩く運営していくことを正当化してくれることを目論んでのことでもない。少なくとも法学者・諸坂佐利氏を焦点のひとつとする動向に関して、そのような意味付けは成り立たないのだ。
むしろ、日本の動物園の現状において、百年越しのこの国の近代動物園の歴史のほとんどを占めてきた動物園への社会的見做しと呼応しながら続いてきた自らのありように疑問を呈し、「何が動物園で何が動物園ではないのか」を厳しく自問して、いまあるところのものとは異なる動物園へと変容を遂げようとする志、その現われがここにあるのだ。
国際的な趨勢への危機感、それもある。しかし、黒船来航に浮足立って、慌てて帳尻を合わせようとしているのではない。わたしたちの社会における動物園も早晩、変わっていかなければならない。世界を見渡して、それを悟り、課題を受け止めつつ、わたしたちなりのかたちを、主体性を確保しようとしている、そんな努力こそがここにあるのだ。
法も動物園も社会や文化を反映する。しかし、動物園が自らを問い返し、さらなる望ましいあり方に向かおうとするとき、それ自体が社会的実践となる。そこから新たな法のありよう、つまりは次代のわたしたちの社会のスタンダードが立ち上がりつつあるかもしれないのだ。諸坂氏の所説に学びつつ、忌憚なく問いと議論を繰り広げるなら、それもまた新しい動物園のありようを構想し創る実践となるだろう。大方の御参学をお待ちする。

(ZOOKオルガナイザー・森由民)


我が国の動物園や展示動物を取り巻く法制度の課題整理~動物園政策の展望にも触れながら~

我が国には「動物園」について、あるいはそこで飼養される「動物」について、真正面から規定(規律)する法律は存在しません。法は、「動物園」をきちんと定義すらしていません。
動物園を設置する際には、動物愛護管理法に基づく第1種動物取扱業者の許可を受けなければなりませんが、これは単なる書類審査で、動物園の経営や運営について、また展示動物に対する愛護、福祉の観点からの具体的基準等を示し規制できる形態に現在ではなっていません。何よりこの第1種動物取扱業には、動物園のほか、ペットショップやネコカフェなども一緒くたに制度設計されています。
野生生物保護や種の保存といった高次の公益・国益を担うであろう「動物園」について、ネコカフェと同じ基準で営業許可を出している現状は、やはり改正されるべきではないかと考えています。
動物園に対するきちんとした規制法がないということは、展示動物に対して「虐待」と思しき行為を行っても、きちんと警察が動き、裁判にかけて罰することができない。一部劣悪な動物園を野放しにしてしまうことに他ならず、そこでの犠牲は物言えぬ動物たちです。
今回の講座では、法学者として「動物園」を研究していて、現行法体制の問題点、課題等を整理し、かつそれを踏まえて、今後我が国は、どのような方向で当該テーマに向き合い制度設計すべきかについて、わかりやすくお話をしようと思っています。
また現在、札幌市では、うまくいけば我が国初の動物福祉条例制定に向けて動き出しています。私も起草委員のひとりとしてお手伝いさせて頂いております。したがってそういった動物園政策の最新事情も、少しく触れてみたいと考えています。どうぞ皆様、奮ってご参加ください。

(特別講師・諸坂佐利)


講師紹介 

諸坂佐利 (もろさか・さとし) 1968年生まれ、東京都出身。
明治大学大学院博士後期課程単位取得満期退学後、川崎市市民オンブズマン専門調査員を経て、現在、神奈川大学法学部准教授、(公社)日本動物園水族館協会顧問。専門は行政法学、公共政策学。イリオモテヤマネコ保全を目指した竹富町ねこ飼養条例改正に参画したことを契機に、自然生態系保全、外来種問題、動物愛護・福祉政策、そして動物園水族館政策について精力的に調査・研究を進めている。主著として、「動物園法学事始め①②」(環境と正義№193,195)、「一法学者の視点から、日本の動物園を考える」(神奈川大学法学研究所研究年報33)、「我が国の『水族館』を取り巻く法環境に関する法解釈学的及び法政策学的考察―いわゆる『イルカ問題』にも触れながら」(博物館研究53(棚橋賞受賞論文))など。

                        

対象者

原則として動物園・水族館に現在所属する方を対象とします。飼育職であるかは問いません。

申込書式に必要事項をお書きいただき、資格を満たしているかを確認させていただきます。
応募多数の場合は有資格者の先着順とさせていただきます。

講習料金

講義は連続したシラバスによって進行する性質上、単日の受講はできません。

本WEBサイトの下部申し込みフォームから「氏名」「年齢」「電話番号」「メールアドレス」「所属園館」を記載の上、申込ください。
折返し、受講の可否及び、振込口座などメールいたします。

¥18,000-/2日間

※受講料先払でキャンセルには応じかねます。

場所

都内 会議室(新宿近郊を想定)
詳細は振込終了後メールにて連絡いたします

講習内容

Lorem ipsum dolor sit amet consectetur.

  • 2020.2.12.11:00〜18:00

    動物園を取り巻く現行法制度の状況と、そこから見えてくるさまざまな問題点、課題

    動物園を取り巻く現行法制度にはどのようなものがあるのか。その全体像をまずは明らかにしたい。そしてその法制度に依拠する限り、どのような問題点、課題があるのかについても論点を抽出したい。

    大牟田市動物園 写真撮影 森由民
  • 2020.2.13.11:00〜18:00

    これからの動物園に関する政策的展望について〜先進国としての日本が世界に対して果たすべき「責任」といった視点から考察する

    1日目の講座では、我が国の動物園を取り巻く法制度の現状を整理し、かつその問題点等を探ったが、2日目の講座では、そういった問題点・課題を克服して、いかなる動物園政策の展望を描くべきかについて検討したいと思う。本講座では、まずは本テーマに限らず国や自治体等に政策アドバイスをしている者として動物園政策に関する私案を提示したい。そしてそれについて参加者の皆様と政策議論をしたいと考える。付言するに、リアルに政策議論とはどのようにするのかといったことも、本講座では少しく勉強できるように計らいたいと考えている。

    台北市立動物園 写真撮影 森由民
  • Thank
    you!

ZOOKとは

ZooとLinkでZOOKです。動物園をめぐるさまざまなつながりあいを創っていこうというプロジェクトです。
実践としての理念の探究。ZOOKはそれを目指します

森 由民

Organizer

オジカ フジヒト

Chief STAFF

 

申し込み

参加ご希望の方は、下記フォームからお申込みください、折返し・申込み番号・振込先などの情報を連絡いたします。